桜井育美は父親とふたり暮らしの中学一年生。授業で「将来の夢」について考えるという課題が出ても、自分の未来を想像することができない。「母親のような立派な人になりたい」というクラスメイトの発言を聞いた育美は、幼いころに死んだ母親がどういう人だったのか興味を持ちはじめる。やがて育美は、父親がずっと隠していた母親の過去を知ってしまう。けっして開けてはならない箱を開けてしまった少女。この世界で生き抜くために、愛を求めてさまよう彼女の見たものとは――けっして開けてはならない箱を開けてしまったことから、世界に対して孤独な闘いを挑むことになる主人公の少女を演じたのは、柴田剛監督『堀川中立売』(2010)や人気バンド・神聖かまってちゃんのMV「夕方のピアノ」(2010)で強烈な個性を放ち話題を呼んだ祷(いのり)キララ。撮影当時は小学6年生ながら堂々たる演技と存在感が高く評価され、第14回「TAMA NEW WAVE」ベスト女優賞、第7回「田辺・弁慶映画祭」主演女優賞、第8回「CO2(シネアスト・オーガニゼーション・大阪エキシビション)」新人俳優賞と、国内の映画祭で女優賞三冠を果たした。2015年8月より公開