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2021年4月27日 11:47 | 217 | 1 | 4 |
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2021年4月27日 10:48 | 217 | 1 | 4 |
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2021年4月20日 16:48 | 160 | 1 | 3 |
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2021年4月20日 15:48 | 159 | 1 | 3 |
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2021年4月18日 5:52 | 97 | 1 | 3 |
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2021年4月18日 4:52 | 97 | 1 | 3 |
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2021年4月16日 21:48 | 43 | 1 | 2 |
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2021年4月16日 20:48 | 31 | 1 | 1 |
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2021年4月16日 19:49 | 24 | 1 | 1 |
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2021年4月16日 19:06 | 18 | 1 | 1 |
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2021年4月16日 18:05 | 4 | 0 | 1 |
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取得日時 | 動画説明 |
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2021年4月27日 10:48 (最新) | 「銀雪」――凍った湖。覗き込んだ僕の顔が、冷たい表情を映している。朧月に照らされた、白い肌をしている、僕の表情。霜が降り、雪が舞う。時折、月が隠される。新しく降った雪をかき集め、手にすくって穴倉へ戻る。ステンレスのカップに雪を詰め込んで、固形燃料を燃やしたスタンドにかけた。こうでもしないと、飲み水すら手に入れられない。けれど僕にこの山を降るという選択はない。もう残りがほんの少しになったチョコレートの欠けらを、一欠けだけアルミから取り出す。いくつ欠けらがあるのかをアルミの上から数え、ため息をついた。果ての月――十二月。その最後の日。様々な思い出が駆け巡る。これは、走馬灯とも呼べるのではないか。手がかじかんで、うまく字が書けない。これが人生の終結になるかもしれないのに。僕が見つかるのは、もっともっと先、春が訪れ雪が溶ける頃だろうに。それでもなんとか、彼女への最後の言葉を手帳へ書き込む。ああ、助けは来ないだろうか。湯が沸くまでの間に、また一歩、外へ身を出す。足元に、凍った花が雪に沈んでいる。そっと、その花を手に取ろうと思った。――轟――風が吹く。僕の視界は六花に埋もれ、真っ白になってしまった。白魔が、全てを攫っていく。こうして、せっかく小さく咲いた花でさえ、まっさらにしてしまうのだ。あまりにも憎たらしくて、空を見上げる。紫黒。漆黒。ただひたすらに黒い空に、雪の花は咲く。長い、長い夜。まだ、終わりそうにない。もう、僕には明日すらもわからない。唯、独りこの場所で刻々と時を過ごすのだ。「なあ、どうして今なんだよ」雪夜に問いかける。どうして、こんなときに限って天候が荒れたのか。否、こんなときだから荒れたのか?わからない。明日すらわからないのに、そんなことがわかるもんか。嫌気がさし、僕は穴倉の壁に背中を預けた。あまり、そういうことはすべきじゃない。体温を奪われるからだ。こんなにも人間は弱い。ああ、僕はここでゆっくりと命を削るのだ。何回も自覚を繰り返すたびに、悲しみが襲い、それに慄く。愚かなことだと自分でも思う。嘆き、慄くくらいなら来なければよかったじゃないか。空の上には、北極星が光っているのだろう。夜の間は、頭上、真上にその星は現れる。その輝きを思い出し、導かれ、また過去をなぞる。穹窿は、ひたと黒く染まる。そこに、白妙の雪が舞う。ふ、と。暴風の音が止んだ。穴倉から顔を出してみる。――凛。深更に、上月が覗いていた。まだ雲は多いものの、しんと静まり返る雪の中に、琥珀に光る月が、覗いていた。「よかった」これで、帰ることができる。しかし、まだもう少しここにいることにしよう。どうせなら、あいつに会ってから帰る方がよさそうだ。徐々に、明るくなっていく。暁闇が忍び寄ってくる。東雲が雪嶺を侵していく。遠くに、日の出の気配がした。この時間を〈黄昏時〉の対義語として〈彼は誰時〉と呼ぶそうだ。僕はバックパックに全ての荷物を包み込み、朝の分と思い取っておいたチョコレートをまた一欠け、口に放り込んだ。美味い。素直に美味いと思えるのは、いつぶりのことだろうか。一歩踏み出すと、掘り起こした雪が霜となり、ざく、と音を立てた。ゴーグルをする前に、遠い空を見る。一月一日。――初日の出が、僕を照らしていた。原作 金森璋「銀雪」Produce 残響レコードボカロ制作部 https://twitter.com/zankyovocaloDirection みっどないと https://twitter.com/Midnight_DirLyrics 金森璋 https://twitter.com/akillernovelsIllustration 前バ! https://twitter.com/maeba865 |
2021年4月18日 4:52 | 「銀雪」――凍った湖。覗き込んだ僕の顔が、冷たい表情を映している。朧月に照らされた、白い肌をしている、僕の表情。霜が降り、雪が舞う。時折、月が隠される。新しく降った雪をかき集め、手にすくって穴倉へ戻る。ステンレスのカップに雪を詰め込んで、固形燃料を燃やしたスタンドにかけた。こうでもしないと、飲み水すら手に入れられない。けれど僕にこの山を降るという選択はない。もう残りがほんの少しになったチョコレートの欠けらを、一欠けだけアルミから取り出す。いくつ欠けらがあるのかをアルミの上から数え、ため息をついた。果ての月――十二月。その最後の日。様々な思い出が駆け巡る。これは、走馬灯とも呼べるのではないか。手がかじかんで、うまく字が書けない。これが人生の終結になるかもしれないのに。僕が見つかるのは、もっともっと先、春が訪れ雪が溶ける頃だろうに。それでもなんとか、彼女への最後の言葉を手帳へ書き込む。ああ、助けは来ないだろうか。湯が沸くまでの間に、また一歩、外へ身を出す。足元に、凍った花が雪に沈んでいる。そっと、その花を手に取ろうと思った。――轟――風が吹く。僕の視界は六花に埋もれ、真っ白になってしまった。白魔が、全てを攫っていく。こうして、せっかく小さく咲いた花でさえ、まっさらにしてしまうのだ。あまりにも憎たらしくて、空を見上げる。紫黒。漆黒。ただひたすらに黒い空に、雪の花は咲く。長い、長い夜。まだ、終わりそうにない。もう、僕には明日すらもわからない。唯、独りこの場所で刻々と時を過ごすのだ。「なあ、どうして今なんだよ」雪夜に問いかける。どうして、こんなときに限って天候が荒れたのか。否、こんなときだから荒れたのか?わからない。明日すらわからないのに、そんなことがわかるもんか。嫌気がさし、僕は穴倉の壁に背中を預けた。あまり、そういうことはすべきじゃない。体温を奪われるからだ。こんなにも人間は弱い。ああ、僕はここでゆっくりと命を削るのだ。何回も自覚を繰り返すたびに、悲しみが襲い、それに慄く。愚かなことだと自分でも思う。嘆き、慄くくらいなら来なければよかったじゃないか。空の上には、北極星が光っているのだろう。夜の間は、頭上、真上にその星は現れる。その輝きを思い出し、導かれ、また過去をなぞる。穹窿は、ひたと黒く染まる。そこに、白妙の雪が舞う。ふ、と。暴風の音が止んだ。穴倉から顔を出してみる。――凛。深更に、上月が覗いていた。まだ雲は多いものの、しんと静まり返る雪の中に、琥珀に光る月が、覗いていた。「よかった」これで、帰ることができる。しかし、まだもう少しここにいることにしよう。どうせなら、あいつに会ってから帰る方がよさそうだ。徐々に、明るくなっていく。暁闇が忍び寄ってくる。東雲が雪嶺を侵していく。遠くに、日の出の気配がした。この時間を〈黄昏時〉の対義語として〈彼は誰時〉と呼ぶそうだ。僕はバックパックに全ての荷物を包み込み、朝の分と思い取っておいたチョコレートをまた一欠け、口に放り込んだ。美味い。素直に美味いと思えるのは、いつぶりのことだろうか。一歩踏み出すと、掘り起こした雪が霜となり、ざく、と音を立てた。ゴーグルをする前に、遠い空を見る。一月一日。――初日の出が、僕を照らしていた。原作 金森璋「銀雪」Produce 残響レコードボカロ制作部Direction みっどないと https://twitter.com/Midnight_DirLyrics 金森璋 https://twitter.com/akillernovelsIllustration 前バ! https://twitter.com/maeba865 |
2021年4月16日 18:05 | 銀雪朧月夜(おぼろづきよ)の中 夜の底氷面鏡(ひもかがみ)に 映る顔斑霜(まだらしも)と 銀雪の雪風巻(ゆきしまき)に 霞(かす)む空果ての月巡れば 思い出もまた巡る帰り花の色は 六花(りっか)に埋(うず)もれて白魔(はくま)は全てを 攫(さら)っていく紫黒(しこく)に舞う 長夜(ちょうや)に咲くああ 明日も知れぬ 唯(ただ)、独り雪夜に問う 応え無く脆弱さに 慄然(りつぜん)を抱(いだ)き嘆く 愚かさよ天極に導かれ 思い出を指しなぞる また穹窿(きゅうりゅう)の直黒(じかぐろ) 散り舞う白妙(しろたえ)深更(しんこう)の上月 琥珀(こはく)に満つ暁闇(あかつきやみ) 忍び寄る彼は誰時(かわたれどき)には 凍て星も眠る日華(にっか)が照らし出す白月は沈み 東雲(しののめ)が侵す雪嶺(せつれい)の白銀 真珠の霜(しも)暁光(ぎょうこう)射す 夜は明けるProduce 残響レコードボカロ制作部Direction みっどないと https://twitter.com/Midnight_DirLyrics 金森璋 https://twitter.com/akillernovelsIllustration 前バ! https://twitter.com/maeba865 |
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